院内感染防止対策

PREVENTION

昨今、歯科医院の院内感染についてマスコミで取り上げられる機会が増えています。
歯科領域における医療安全に関しては、歯科診療所などにおける感染予防策として、
医療法において義務付けられた項目というものが決められています。(医療法改正平成19年4月1日施行)
徳治会歯科医院合志は、安心できる歯科医療安全として、この医療法に則った院内感染防止対策に取り組んでいます。
そして、患者様に正しい情報をお伝えすることと、治療後の快適な生活をお約束します。

医療法において義務付けられた項目

  • 標準予防策
  • 抗体価検査・予防接種
  • 針刺し・切創対策
  • 危険物の分別を徹底
  • 感染対策委員会の設置、開催(月1回程度)
  • 院内感染対策マニュアルの作成、定期的に見直し改訂
  • スタッフへの研修会を実施(年2回程度、日時・内容・出席者等)

当院での取り組み

① 標準予防策(スタンダードプリコーション)

すべての患者さんが感染症を持っているという仮定に基づいて感染症対策を行うという考え方です。目的は、患者さんの院内感染を阻止すること、そして、医療従事者の業務による感染を防ぐことです。CDC(米国疾患管理予防センター)が提唱した概念です。これは、日本でいうと厚労省のような機関です。 院内感染防止対策はこのCDCのガイドラインを基本としています。このため、全ての使用済み器材は標準予防策に基づく取り扱いが必要となります。

  • 患者さん毎に手指衛生とグローブの交換を行います。
  • 患者さん毎に滅菌済みの器具とタービン(歯を削る機械)を用います
  • 器具によって滅菌機械を使いわけます

② 抗体価検査・予防接種

スタッフに、B型肝炎の抗体価を測定、陰性または基準値以下の場合は予防接種を行います。また、毎年11月頃にインフルエンザワクチンを接種します。そして、出勤時に体温を測定し、平熱より基準値を上回る高温であれば帰宅、より上回れば病院受診を義務付けています。

③ 針刺し・切創対策

積極的にB型肝炎ワクチンを接種しています。また、診察時、血液や体液を扱う時やそれらが飛散する時、
汚染器材を洗浄する時等、 その処置に合った個人防護具を適切に着用します。
・ 使用済みの鋭利な器具用には、針捨てBOXを設置しています。
・ 必ず施術者が事後処置を行います。

④ 危険物の分別を徹底

血液などが付着したガーゼ類や注射針、鋭利な器材は、感染性廃棄物として処理します。また、注射針などの鋭利な器材は、専用の耐貫通性の容器に安全に廃棄します。感染性廃棄物は、専用の容器にバイオハザードマークを貼付して、適切に保管、排出し、委託業者を通じ適切および安全に処理します。

  • バイオハザードマークの分類
    • 血液などが付着した固形物

      血液などが付着した固形物

    • 注射針などの鋭利なもの

      注射針などの鋭利なもの

⑤ 感染対策委員会の設置、開催(月1回程度)

外来・訪問両診療部より安全管理委員を選出し、毎月院内感染対策委員会を開催し、対策レベルの品質を管理し、全員に周知徹底しています。

⑥ 院内感染対策マニュアルの作成、定期的に見直し改訂

院内感染対策マニュアルを作成し、定期的な院外研修を受講することにより、見直しを行います。

⑦ スタッフへの研修会を実施

滅菌専属のスタッフを配備し、滅菌技師による研修会を行います。

当院でのこだわり

  • ① 動線分離

    ① 動線分離

    患者さんとスタッフとの動線分離だけでなく、滅菌済み器具と使用済み器具との動線を分離し、感染経路のリスクを軽減しています。

  • ② 機械室の分離

    ② 機械室の分離

    吸気と排気を考え、機械室(バキュームとコンプレッサー)を分離しています。

  • ③ 滅菌ルーム

    ③ 滅菌ルーム

    飛沫汚染範囲である滅菌ルームでは、清潔・不潔を徹底させるためにグローブの色別、エリア毎のフロアの色別をしています。

  • ④ 歯ブラシ

    ④ 歯ブラシ

    感染の危険性を考え、歯ブラシを個人で購入していただき、歯科衛生士がおこなう口腔ケア専用の歯ブラシとして使用していきたいと考えております。個々の患者さんに合った、歯科衛生士がお勧めする歯ブラシを提案致します。
    訪問においても、施設において管理してもらい、訪問時にその歯ブラシを使用します。ご協力お願いします。

  • ⑤ 認定書

    ⑤ 認定書

    当院では、第二種歯科感染管理者(日本・アジア口腔保健支援機構認定)と院内感染予防対策認定医(日本口腔感染症学会)が在籍し、院内感染防止対策の維持・向上に努めています。滅菌業務は滅菌専属のスタッフが行っています。

Covid 19 (新型コロナウィルス感染症)対策

① 医院に入れない

  • 掲示

    掲示

  • 入口の消毒剤(接触感染)

    入口の消毒剤(接触感染)

  • 検温、SPO₂

    検温、SPO₂

  • チェックシート

    チェックシート

  • 受付のアクリル板パーテーション(飛沫感染)

    受付のアクリル板パーテーション
    (飛沫感染)

② 院内で広げない

  • 待合室の消毒困難物の撤去(接触感染)

    待合室の消毒困難物の撤去
    (接触感染)

  • 待合室の人数調整(飛沫感染)

    待合室の人数調整(飛沫感染)

  • スタンダードプリコーションの徹底(接触・飛沫・空気感染)

    スタンダードプリコーションの徹底(接触・飛沫・空気感染)

  • 治療前の含嗽(接触・飛沫感染)

    治療前の含嗽
    (接触・飛沫感染)

  • ・口腔外バキューム(飛沫感染)
  • ・環境表面の清拭(接触感染)
  • ・換気(空気感染)
  • ・印象物の消毒(接触感染)

③ スタッフが感染しない

  • 手指衛生(接触感染)

    手指衛生(接触感染)

  • 検温

    検温

  •  SPO₂

    SPO₂

  • P.P.E. (個人防護具)(接触・飛沫感染)

    P.P.E.
    (個人防護具)(接触・飛沫感染)

  • ユニフォーム (飛沫感染)

    ユニフォーム
    (飛沫感染)

  • フローチャート

    フローチャート

このような取り組みを行ってきましたが、コロナ自体が外部要因であるため、コントロール不可のことが起きてきました。衛生用品供給不足や風評被害です。歯科医療の現場では感染リスクが高いということで診療控えが増えてきました。外来における歯周病安定期治療(SPT)、介護施設での訪問診療の激減です。しかし、歯科治療を通じての新型コロナ感染例は報告されていません。

熊本県歯科医師会はプレスリリースとして、新聞に「歯科医院での専門的な口腔衛生管理はウィルス感染や重症化を防ぐ効果があると言われています。定期健診や訪問診療を一律に延期するものではありません。ご自身で判断せず必ずかかりつけ歯科医に相談してください。」と掲載、テレビコマーシャルでも放映しました。
また、「コロナ禍の歯科離れは危険!!」とのタイトルで、この時期だからこそ、歯周病予防・誤嚥性肺炎予防・オーラルフレイル予防等のために歯科の介入が大切であるという啓発をテレビの医療番組で紹介してもらいました。

”かかりつけ歯医者”にご相談ください

下記アドレスより、KKT公式YouTubeにアップされた当院の 取材の様子と熊本県歯科医師会伊藤明彦会長のメッセージを ご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=ijOO-wMQTCc&t=11s