感染を予防するために
冬は、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎など、ウイルスや細菌による感染症が流行する季節です。
冬に感染が増えるのは、空気が乾燥し、ウイルスの水分も蒸発して空気中に漂いやすくなり、乾燥を好むウイルスの感染力そのものが強まるからです。また、空気が乾燥していると、くしゃみや咳の飛沫が小さくなり、飛沫に含まれるウイルスが遠くまで飛びやすくなることで、感染が広まり、感染のスピードも速まっていきます。
粘液の役割
喉や鼻の中にある粘液はウイルスなどの侵入を防ぐ役割をしているのを知っていますか?冬は喉や鼻の粘膜が乾燥して傷むため、ウイルスなどが体内に侵入しやすくなるのです。
口の中は、常に300種類以上の細菌などが生息しており、腸内細菌と同じように口の中の細菌とも上手に共存しています。口の中に細菌が適切に存在することで、多くの病原体の感染症を防ぐのです。
なぜ、口腔ケアが必要なのか?
口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまうと、口の中の細菌が作り出す【プロテアーゼ】が粘膜を破壊することでさらにウイルスが侵入しやすくなることもわかっています。また、飲み込む機能が弱っている高齢者の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。
歯垢や歯石、舌苔など口の中が汚れていると細菌が増殖しプロテアーゼも増えるので、口腔ケアで口の中を清潔にしておくことも感染症予防にもなります。
健康に冬を過ごせるように、合わせて手洗い、うがいも徹底して行いましょう。