🦷夜中にズキズキ…その歯の痛み、神経が原因かもしれません
「昼間はなんともなかったのに、夜になると歯がズキズキして眠れない…」
そんな経験はありませんか?
この“夜中に強くなる歯の痛み”、実は歯の中にある神経(歯髄)が炎症を起こしているサインかもしれません。
■ なぜ夜になると歯が痛くなるの?
夜になると歯の痛みが強くなる理由には、いくつかの医学的な理由があります。
まず、人は横になると頭に血が集まりやすくなります。
これにより、歯の中の血流が増加して神経周囲の圧力が上がり、痛みを強く感じやすくなるのです。
また、日中は仕事や家事などで気が紛れていても、夜の静かな時間にはどうしても痛みが気になってしまいます。
「昼間は大丈夫だったから気のせいかな?」と思っていても、実際にはすでに神経の炎症が始まっているケースも珍しくありません。
■ 歯髄炎ってどんな状態?
歯の内部には細いトンネルのような空間があり、その中に神経や血管が通っています。これを「歯髄」といいます。
虫歯が進行してこの歯髄まで達すると、炎症を起こして「歯髄炎(しずいえん)」という状態になります。
こんな症状が出ていたら要注意です
- じっとしていてもズキズキ痛む
- 温かい飲み物や食べ物で痛みを感じる
- 夜になると痛みが強くなる
- 痛み止めが効きにくい or 一時的にしか効かない
- 顔の片側だけがズーンと重く感じる
こうした症状は、歯の神経が強い炎症を起こしているサイン。
放置してしまうと、炎症が広がり、神経が壊死(えし)してしまうこともあります。
■ 痛みが消えた…それって治ったってこと?
じつは、「痛みが急に消えた=治った」とは限らないことが多いです。
炎症が進むと、神経が壊れてしまい一時的に痛みを感じなくなるだけという場合があります。
ところが、神経が壊死した歯は内部で感染が進み、根の先に膿がたまってしまうことも。
最終的には顔が腫れたり、激痛が再発したりして、治療が複雑になることもあるのです。
だからこそ、「痛みが出たときにすぐ受診する」ことがとても大切です。
■ 治療方法と予後は?
症状や進行の程度によって治療方法は異なりますが、よくあるのは以下のような処置です
- ごく初期なら、神経を残したまま虫歯の部分だけを治療します
- 神経まで達している場合は、根管治療(こんかんちりょう)が必要です
┗ 歯の神経を取り除き、根の中をきれいに消毒して密封する治療です
根管治療をしっかり行えば、痛みはおさまり、歯を残すことができます。
ただし、時間が経つほど治療が長引きやすくなるので、やはり早めの受診が鍵になります。
■ 最後に
夜にズキズキする歯の痛みは、**神経の炎症(歯髄炎)**の可能性があります。
この痛みは自然に治ることはなく、放置するとさらに大きなトラブルを引き起こすことも。
「これくらいなら大丈夫かな…」と我慢せずに、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
もし少しでも気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談くださいね🦷✨