コラム

COLUMN

歯医者で新型コロナウイルスに感染するって本当なのか?

 

「歯医者は新型コロナに感染しやすいのではないか?」と心配な方もいらっしゃるかと思います。

 

そのせいで歯がすこし痛かったり、かけたり、継続的なケアを受けている方であっても、歯科医院に行くのをためらっている方もいらっしゃるかと思います。

 

確かに、患者さんは口を開けて歯科医師や歯科衛生士が顔を近づけて治療しますので、怖いのも無理はないですよね。

 

ですが、実際、歯科治療が原因でコロナ感染が起こる可能性は非常に低いと言えるのです。むしろ、必要な歯科治療を受けないことで感染や重症化のリスクが高くなる可能性もあります。

 

 

歯科医院の感染対策

 

感染対策と聞くと医科の病院や診療所の方が、進んでいるように思われていた人も多いと思いますが、実は歯科医院の中には医科の病院と同等の感染対策を新型コロナが騒がれる前から取り組んでいる歯科医院は少なくないのです。

 

コロナ前は医科の病院や診療所で常に医師や看護師の方がマスクをされているのを目にすることは少なかったのではないでしょうか?診察室で患者さんが座る椅子や台は毎回消毒されるのも目にはされなかったと思います。

 

当医院はコロナ前から常に、マスク、グローブ、ゴーグル(ルーペ、拡大鏡)をして、歯科診療に使う椅子(ユニット)やテーブルは患者さんごとバリアテープなどを張替え、消毒しています。

 

これは歯科治療の多くが、飛沫を伴うことが多く、ほとんどの器具が尖っていて感染のリスクがあるからです。それゆえ、歯科治療に関わる人たちはコロナ前から感染リスクに対する意識を強く持っていて、以前から対策に取り組んでいます。

 

また当医院では新型インフルエンザ、SARSのニュースが出た10年ほど前から、患者さん全員の健康チェック、職員全員の毎日の検温、患者さん全員オゾン水でのうがいは行っていました。

 

コロナ後に始めたことは、換気、来院時全員の検温、コロナ対策の問診、待合室の定期的なアルコール消毒、受付にパーティション設置などをしました。

 

 

口腔内の状況がウイルス感染に関係する

 

新型コロナウイルスは研究段階なので、明らかではないです。ですが、インフルエンザウイルスに関する研究では口腔内のケアがしっかりできている人は感染を起こしにくいということが明らかになっています。

 

インフルエンザも新型コロナも飛沫や接触で感染するウイルスのため、同じような効果が口腔ケアにはあると思われます。

 

新型コロナウイルス肺炎ではないですが、ある施設の調査で口腔ケアを行っていた人たちがされていなかった人たちより肺炎にならなかったという論文があります。口腔内細菌にはウイルス感染を助ける酵素を出すものがあります。

 

また、歯の数が減り、噛みにくい状態やあっていない入れ歯を使用することで、バランスのよい食事ができず、免疫力が落ちて、感染、重症化のリスクが高くなります。

 

 

また歯科医院のほとんどは予約制のため、待合室の許容範囲を超えて患者さんがいることはありません。最大限感染対策を行っている歯科医院は新型コロナウイルスに特別、感染しやすいということはないのです。

 

患者さんが安心して来院できるように、これからも日々努力をしていきます。

口腔内で気になることがあるときは、遠慮なくご相談してください。