コラム

COLUMN

お口から食べてないから汚れていないは間違い!

 

 

私が訪問歯科をしていて、よくご家族から質問があります。

 

「私のおじいちゃんはご飯を口から食べてないので頻繁に歯磨きしなくてもいいじゃないですか?」

 

答えはNOです。

 

 

むしろ余計しなくてはなりません。最近では、誤嚥性肺炎という言葉はほとんどの人が知っているでしょう。

 

お口のバイ菌が肺に入って炎症を起こしてしまう怖い病気。。。

 

それを起こしてしまうリスクがあるからです。

 

お口からご飯を食べれなくなった方のお口の機能は著しく低下します。

 

私たちも毎日歩くから足の筋力は落ちませんが、寝たきりになると一気に筋力が低下して仮に歩けるように回復したとしても、いきなり歩けるわけではなく、歩行訓練のようにリハビリを得て歩けるようになるように、お口の機能も食べれなくなると、著しく低下して本来であれば肺にはいかないような場合でも肺のほうに唾と一緒にバイ菌が入りやすくなります。

 

ではなぜ、ご飯を食べていないのにバイ菌がお口の中に増えるのでしょうか。

 

口の中には常に細菌が存在していて、食事の有無にかかわらず増殖します。理由はいくつかあります。

 

 

①口の中の温度と湿度が高い

 

口腔内は37℃前後で、適度な湿度があり、細菌にとって繁殖しやすい環境です。食事をしていなくても、細菌は自然に増えます。

 

 

②唾液の成分が細菌のエサになる

 

唾液にはタンパク質や糖分が含まれており、一部の細菌にとっては栄養源になります。食べていなくても、唾液だけで細菌が繁殖することがあります。

 

 

③歯垢や舌苔が細菌のすみかになる

 

歯の表面や舌には細菌が付着しやすく、そこに残ったタンパク質や粘液をエサに増殖します。特に歯を磨かないと、細菌がどんどん蓄積します。

 

 

④呼吸や会話によって細菌が出入りする

 

空気中には細菌が存在し、呼吸や会話を通じて口の中に入り込むことがあります。また、無意識のうちに口元を手で触ることでも細菌が付着します。

 

 

⑤唾液の流れが止まると細菌が増えやすい

 

寝ている間など唾液の分泌が減ると、細菌が洗い流されにくくなり、増えやすくなります。朝起きたときに口臭が強くなるのもこのためです。

 

 

なので毎日の口腔ケアは必要です。そして綺麗になるのではなく、口腔ケアによって刺激が加わるのでお口の機能をなるべく維持するためにリハビリの一環にもなります。