コラム

COLUMN

顕微鏡歯科治療について

 

歯が虫歯になって進んでいくと、歯髄と呼ばれる歯の神経まで虫歯が及んでいきます。

 

そこまで進みますと、歯の神経が細菌感染し、強い痛みを引き起こします。それを放置すると一旦痛みが消えます。これは治ったのではなく歯の神経が死んでしまって痛みを感じなくなってしまっているのです。

 

死んだ神経は腐っていき、膿が出て歯の周りの骨を溶かしていきます。

それでもまだ放置していると、痛み止めや麻酔ですら効かないような、強烈な痛みが出ます。

 

歯の神経の治療は脳外科、心臓外科のようなミクロの治療

歯の神経の治療は神経にメスを入れる治療で、歯科治療の中でも特に難易度が高く、脳外科や心臓外科の細い毛細血管や神経を扱うのと同じような、細かい部分を扱います。

 

神経の通る根管と呼ばれる管は、0.1~0.5ミリくらいです。

治療の成功率は68%~85%と言われています。

 

 

手術用顕微鏡

 

この成功率は目に見えない部分の治療で、歯科医師の勘に頼る部分が大きいため、成功率にばらつきがあります。

しかし安心してください。歯科治療は進歩しています!前述したような心臓外科、脳外科で使われる手術用顕微鏡を治療に使用します!

 

今まで見えず、取り残していた感染物を顕微鏡で見て確認できるようになっています。また神経には奇形もあり通常では見つからない神経の管、枝が存在します。このような小さなものも顕微鏡とCTを併せれば発見は困難ではありません。

 

 

 

治療の成功率を上げるためにお願いしたいこと

 

1,痛みが出たらすぐに治療を
前述したように、歯の神経は痛みを出してもその後引くことがあります。しかしこれは歯の神経が死んでいるので、その後もっと深刻な状態になります。神経に感染が及んでなければ神経を足らずに済むこともあります。早期治療で成功率は上がっていきます。

 

2,仮詰め、仮歯で中断しない
歯の神経の治療は、一度では終わることは、ほとんどありません。患者さんによっては半年以上かかる方もいらっしゃいます。痛みが取れ、仮歯の状態で経過を確認している段階で、不便がなくなり、長くかかっていることもあり来院が途絶えてしまうことがあります。

 

ですが、仮詰めや仮歯は隙間があり、中に細菌の再感染がおこります。長くなっても中断せず最後まで通ってください。

 

3,治療した歯に無理をさせない
神経を取る治療後、歯はもろくなります。神経のない歯がその後抜歯になる確率は、神経のある歯に比べ、前歯で1.8倍、奥歯で7.4倍と言われています。

硬いものを噛むには注意が必要です。

また、かみ合わせの調整を定期的にしてもらいましょう。