コラム

COLUMN

本当に歯のメインテナンスは必要なのか?

 

 

 

歯周病は、日本人が歯を失う原因の大部分を占めています。

 

歯周病は糖尿病や、心筋梗塞など

さまざまな病気と密接なかかわりがあることも知られています。

 

現在、「歯のメインテナンスに行きましょう!」

といったポスターや広告をよく見かけます。

 

今回は、歯のメインテナンスを

本当にする必要があるのか、メインテナンスが必要な理由をお話しします。

 

 

 

歯周病とは

 

歯周病は、一般的には‘‘歯槽膿漏‘‘と言われます。

 

そのせいか歯ぐきから膿が出る病気だと思われている方も多いです。

実際、歯ぐきから膿が出たり、出血するのも歯周病の症状の一つです。

 

しかし、このような症状が出る場合は、

歯周病が進行していることが多いです。

 

歯周病は、サイレント・ディジーズ

(静かに進行する病気)と言われています。

 

その名の通り、静かに進行するため、

気付かないことが多く、歯を支えている骨が歯周病菌に少しづつ破壊されていきます。

 

進行が進み、歯がぐらぐらになってしまうと

痛みが出たり、歯を残すのが不可能になってしまいます。

 

 

 

日本人の7割が歯周病

 

2011年の歯科疾患実態調査では20代で約70%の方が

歯周病であるというデータがでています。

 

65歳以上の高齢者ですと歯がない方以外ではほぼ100%が歯周病です。

 

この結果から考えられるのは

歯周病は誰もがかかりやすい病気であり、年齢や性別は関係ありません。

 

 

 

歯周病感染~発症まで

 

歯肉炎

 

この状態の歯ぐきは少し赤みを帯びていて、歯みがきでこすると出血します。

これは歯ぐきが歯周病菌を追い出そうとしているいわゆる‘‘防御反応‘‘です。

 

そのためこの段階であれば適切なブラッシングや

歯科医院での歯石除去で健康な歯ぐきを取り戻すことができます。

 

 

歯周炎(軽度)

 

歯ぐきが腫れてぷよぷよしてきます。

この時、歯ぐきの中の深いところまで炎症が広がっています。

この状態でも痛み等はほとんどない為、

気付きにくいことが多いです。

適切なブラッシングと歯科医院による歯垢除去、歯石除去で改善することが多いです。

 

 

歯周炎(中程度)

 

この状態から歯の揺れや痛み、

歯ぐきの明らかな腫れがみられることがあり、自覚症状が出始めます。

 

歯を支えている骨が溶けるため、

レントゲン撮影すると他の歯より支えている骨の高さが

低くなっていることが分かるようになってきます。

 

歯周炎の中程度までなると、歯石除去だけでは

改善されないことがあるため、歯周外科手術を行い、進行を抑制することもあります。

 

 

歯周炎(重度)

 

歯周病が重度まで進行すると、食事のときに噛むと

歯がぐらぐらで痛み、噛めない、匂いがするなど

生活に支障が出ることがあります。

 

このまま放置すると歯が抜け落ちてしまいます。

 

 

 

メインテナンスが必要な理由

 

歯周病は再発しやすい病気であるため、

定期的に歯科医院で歯垢・歯石を取る必要があります。

 

歯周病の原因である歯周病菌を完全に取り除くことは不可能です。

歯科医院でメインテナンスした後も

おうちでのブラッシングがとても大切です。

 

メインテナンス時に歯科衛生士が正しいブラッシング方法を説明します。

それでも患者さん一人ひとりに歯みがきの「くせ」があります。

どんなに磨いているつもりでもどうしても磨き残しはあるので

定期的に歯科医院で機械清掃をして歯周病予防をしましょう。