コラム

COLUMN

加熱式タバコなら吸っても良い?~ニコチンと歯周病~

 

続々と新商品が発売されている

アイコス、グロー、プルームテックといった

加熱式タバコ(新型タバコ)

 

歯周病を悪化させるなど、従来の紙巻きタバコが

お口に悪い影響を与えることはよく知られていますが、

加熱式タバコはどうなのでしょうか?

 

今回は、紙巻きタバコと加熱式タバコの両方に共通する

「ニコチン」を軸にお話ししていきます。

 

 

紙巻きたばこ

たばこに直接火をつけ、燃焼により発生した煙を吸い込む

 

加熱式たばこ

たばこ葉に熱を加えて、そこからはっせいするエアロゾルを吸い込む

 

 

加熱式タバコはタバコ葉を燃焼させないため、

主流煙中に含まれる一部の有害物質(一酸化炭素など)は

確かに減少しており、従来の紙巻きタバコより

「健康への害が少ない」と言われています。

 

しかし、ニコチンの量は紙巻きタバコと比べてそれほど減っていません。

 

 

主流煙中のニコチン量(mg/本)

 

 

 

主流煙中の一酸化炭素量(mg/本)

 

 

ニコチンはタバコの依存性のかなめとなる物質ですが、

お口の細胞や細菌にさまざまな悪影響を与えることがわかっています。

 

 

 

ニコチンがもたらすお口への害

 

歯ぐき・粘膜への影響

 

①炎症を起こしやすくする

 

②歯ぐきの弾力を失わせて、栄養の補給や老廃物の除去機能が低下する

 

 

③歯ぐきの細胞が酸化・老化する

 

④細胞の遺伝子を傷つけ、がん化を招くことも・・・

 

 

歯周病への影響

 

ニコチンは歯周病菌の栄養になります。

日本臨床歯周病学会によると、歯周病(歯槽膿漏)になるリスクは

「1日に10本以上の喫煙では5.4倍」、

10年以上の喫煙では4.3倍に上昇すると言われています。

 

 

虫歯菌にも影響する!

 

①酸をつくる力を高めて虫歯のリスクが上がる

 

②歯の表面に虫歯菌や酸が付着しやすくなる

 

 

 

紙巻きタバコより量が少ないものもあるとはいえ、

加熱式タバコに有害な物質が含まれていることに変わりはありません。

 

化学物質によるからだへの害は、「量が少ない分だけ減る」というものではないです。

加熱式タバコ特有の有害物質もあります。

 

 

禁煙ができるのが一番ですが、禁煙が難しい方は

特に徹底したセルフケアはもちろん、

歯科医院での定期的なクリーニングが重要になります。

 

しばらく歯科医院に行っていない方はぜひ、

一度歯周病や虫歯のチェックに行ってみましょう。