コラム

COLUMN

セラミック治療で後悔しない為に知っておこう

 

 

 

オールセラミックは色調の再現性に優れた歯科用材料の1つです。

 

白く美しい色合いと、つやを再現できることから、

自然な歯により近い表情を作ることができます。

 

しかし、せっかくのオールセラミック治療であっても、

時には失敗や後悔を感じることがあります。

 

今回は、セラミック治療をお考え中の方に、

治療後に起こりうるリスクや失敗、解決方法についてご紹介します。

 

 

 

・割れる、欠ける       

 

セラミックが割れる欠ける原因の多くは、

硬いものを食べたやぶつけたなどよりも歯ぎしり・食いしばりがあげられます。

 

例えばパンを食べていたら割れました欠けましたと患者さんがおっしゃいますが、

その多くは夜間の歯ぎしりや食いしばりで目に見えない程の細かいヒビが入っており、

朝食を取った際にヒビから割れてしまう事が多いようです。

 

歯ぎしり・食いしばりは、

我々は気がついていませんが、かなりの力が加わります。

文献などによると歯1本に当たり体重の何倍もの力がかかるとも言われています。

 

歯ぎしり食いしばりの原因は、

未だにわかっていないので解決する術がないのが実情です。

 

そのため、セラミック治療を行なった患者さんは、

夜間のナイトガードの装着は、必須と考えて良いと思います。

 

多くの患者さんがナイトガードは、違和感が強いから

夜間寝る時につけることができないとおっしゃいますが、

セラミックが割れてくれるのはまだ良いですが、

ご自分の天然の歯は、どんどん削れて無くなってしまいます。

 

年齢を増せば増すほど歯周病のリスクが高くなりますので、

天然の歯を守る意味でもナイトガードの着用をオススメします。

 

 

 

・神経の治療が必要な場合がある

 

咬み合わせの関係で、補綴物を入れるスペースが

足りない場合には、歯を削る量が多くなります。

 

神経に近接した切削となった場合、治療後にしみたり、

痛みを感じることがあります。結果、土台となる

歯の神経を取り除く処置(抜髄)が必要になることがあります。

 

抜髄により神経が失活した歯は、歯根破折のリスクが天然歯に比べて増加します。

 

 

 

・セラミックであることがわかりやすい・・・

 

審美性に優れるオールセラミックであっても、

隣り合う歯と色調が異なる場合や、一部のみをオールセラミックにしたため、

他の歯とのバランスが取れていない場合、

セラミック治療をやりました!」という口元になってしまいます。

 

特に色調については、失敗が起こりやすいです。

歯科医師がお勧めした色よりも、せっかくだから・・と、

もっと白くすることを希望する方やセラミックの色に合わせて

周りの歯をホワイトニングしたいと言われる方がいらっしゃいますが、

そういった場合には、残念ながら色調の不一致

という失敗が起こりやすく後悔される方がいらっしゃいます。

 

 

 

・セラミック治療を急ぎすぎた

 

セラミック治療を希望される方の中には○月○日に結婚式や会食など、

人前に出る予定があるからその日までに被せてほしいと

言われる方がいらっしゃいます。

 

治療に必要な日数がなく急いで被せ物をすると

後からやり直しが必要になることがあります。

 

その一つが、歯肉と被せ物の境目の設定です。

 

歯周病や歯肉炎のため、歯肉が腫脹していると、正しい位置設定ができません。

 

オールセラミックをセットした後で、歯肉退縮が起こり、

歯根が露出すると、審美的に不適であることや、虫歯や歯周病のリスクが発生します。

 

失敗を防ぐため、歯周病治療を完了し、

引き締まった歯肉の状態で行うことが大切です。

 

また、失敗ではありませんが、

歯周病に限らず、歯肉退縮は加齢によっても起こります。

最終治療を行った後も、メインテナンスを行うことをお勧めします。

 

 

 

<まとめ>

 

オールセラミック治療にもメリット・デメリットがあります。

今回、紹介した内容は必ずしもおこるわけではあありません。

 

しかし、せっかく時間と費用を費やしたのに

後悔することのないようしっかりカウンセリングを受け、

あらかじめリスクについても知っておくことが大切です。