失ったご自分の歯と遜色ないほどの「噛める力」を取り戻せるインプラント。
しかし、その独特な結合のしかたから、天然歯と比べいくつか弱点があります。
それは、天然歯に存在した防御機構が無いため、
細菌や力に弱くなってしまうことです。
その為、より一層のケアが大切になります。
また、長持ちの大敵はお口の中の細菌だけではありません。
歯ぎしりや食いしばりの影響も見過ごせないのです。
患者さんは自覚のない事がほとんど
インプラントを長持ちさせるには、過剰な噛む力への配慮も見過ごせません。
「噛む力」と言っても、ガリっと一時的に強く噛んでしまったというよりも、
歯ぎしりや食いしばりといった、無意識に生じる継続的な強い力が問題となります。
インプラントと顎の骨の間には、噛む力を吸収・分散させる歯根膜がありません。
そのため、過剰な力が生じた場合、インプラントや骨にダイレクトに負担がかかります。
その結果、人工歯部分が欠けたり割れたり、連結パーツがゆるんだりゆがんだり、
また人工歯根とあごの骨が剥離して、インプラントが抜けてしまう事もまれにあります。
歯ぎしりなど、強い力がインプラントを支える骨に加わり続けることで、
あごの骨の破壊が加速してしまうのです。
歯ぎしりや食いしばりは無意識の癖ですので、
患者さんは自覚していないことがほとんどです。
歯科では、嚙み合わせや、上下の歯やインプラントの状態を調べることで、
絶えずそうした癖の兆候に目を光らせています。
兆候が見つかった場合は嚙み合わせの調整や、
ナイトガード(就寝時に入れるマウスピース)などで力の緩和を図ります。
インプラントを入れた後は、その後のケアが長持ちのカギです。
歯医者さんで定期的に診てもらうことをおすすめいたします。