口の中だけの病気ではない歯周病
歯周病というと「歯ぐきが腫れる」「歯が抜ける原因になる」といった、口の中の病気というイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、歯周病は口の中だけにとどまらず、体全体の健康にも関わる病気です。
細菌のバランスの乱れが引き起こす変化
私たちの口の中には多くの細菌が存在しており、普段はバランスを保ちながら共存しています。
歯周病は、このバランスが崩れることで進行していき、炎症を起こしやすい細菌が増えることで、歯ぐきの状態が少しずつ変化していきます。
大切なのは「菌がいること」そのものではなく、「環境が変わること」です。
夜に変わる口の中の環境
歯周病菌は、夜の時間帯に活動しやすい環境になります。
就寝中は唾液の分泌が減り、口の中を洗い流す働きが弱まるため、細菌にとって活動しやすい状態になるからです。
そのため、寝る前の歯磨きは、一日の中でも特に大切なケアといわれています。
歯ぐきの炎症と全身の健康
歯ぐきの炎症が続くと、小さな出血が起こりやすくなり、その出血部分を通して細菌や炎症物質が血流に入り込むことがあります。
こうした状態が続くことで、歯ぐきの炎症は口の中だけにとどまらず、体の中にも小さな炎症反応を広げていきます。
その結果、歯周病は全身の健康とも関係していることが分かってきています。
こうした影響と関係が指摘されている主な疾患には次のようなものがあります。
・糖尿病(炎症により血糖コントロールが悪化しやすくなる)
・高血圧(慢性炎症が血管に負担をかける)
・動脈硬化(炎症物質が血管壁の変化を進める)
・心疾患(血管トラブルのリスクが高まる)
・脳血管疾患(血流障害との関連がある)
メタボリックシンドローム(炎症と生活習慣が影響し合う)
気付かれにくい進行
歯周病は、痛みなどの自覚症状が出にくいまま進行しやすい病気です。
そのため、症状を感じたときは、すでに進行しているケースも少なくありません。
このような特徴から、歯周病は「静かに進む病気」とも言われています。
続けることがいちばんの予防
歯周病予防で大切なのは、特別なことをすることではありません。
日々の歯みがき、定期的な歯科検診、専門的なクリーニングといった基本的なケアを無理なく続けていくことです。
歯周病対策は、歯を守ることだけでなく、体の健康を守ることにもつながります。
口の中を整えることは、毎日の健康管理の大切な土台作りなのです。





