コラム

COLUMN

歯周病、認知症の関係とは

 

認知症と聞くとほとんどの人がどういったものか思い浮かべることができるほど、今では当たり前の病気になりました。

 

以前、2018年には戸田恵梨香さん主演で若年性認知症をテーマにしたドラマも放映されました。そのように知名度を上げている認知症ですが、実は、認知症歯周病と関係があると言われています。

 

 

認知症って?

 

認知症は、様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。認知症にはいくつかの種類があります。アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多い認知症です。

 

もの忘れ等の症状が、ゆっくりと進行します。国内における認知症患者数は、年々増加しており、2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。

 

認知症のうち、全体の約70%はアルツハイマー型認知症ですが、脳血管型認知症は約20%、レビー小体型認知症は約4%です。これらは「三大認知症」といわれ、全体の約94%を占めています。

 

認知症と「物忘れ」は似ているように思われます。しかし、少し違います。忘れたことを自覚して、忘れたことはヒントがあれば思い出せるのが「物忘れ」です。しかし、認知症は忘れた自覚がなく、思い出すことができません。

 

 

歯周病との関係は?

 

歯周病は成人の約80%がかかっているといわれるほど、罹患率の多い疾患です。

 

認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症は特殊なタンパク質が、脳に蓄積することで発症するといわれており、近年の研究により、歯周病菌が原因となり、アルツハイマー型認知症の原因となるタンパク質を生成していることがわかりました。

 

また成人で歯を失う原因のうち、最も多いのが歯周病です。そして、歯が抜けている本数が多いほど認知症を発症しやすいこともわかっています。これは奥歯でしっかりと嚙むことで脳に刺激が伝わり、認知症の予防になっているためと考えられます。

 

歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性があるのです。
歯周病菌はアルツハイマー型認知症だけでなく、糖尿病の増悪化や誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあることもわかっています。

 

認知症は高齢になればだれでも発症するリスクがありますので、毎日のブラッシングと定期的な歯科検診によって、認知症を予防していきましょう。