オーラルフレイルとは、口腔(歯、歯茎、舌、唾液腺など)の
機能低下や状態の悪化を指す言葉です。
かつては口腔機能の低下に対する明確な定義がありませんでした。
そのような中で、『オーラルフレイル』という考え方が登場しました。
フレイルという状態は、人の老化の過程における、
『健常』と『要介護状態』の中間であり、
健康障害につながる心身の脆弱な状態であると同時に、
ストレスに対する予備力の低下に起因した状態です。
現在の日本では約300万人の高齢者がフレイルの状態に該当するとされています
具体的にフレイルをの実態を把握するためには、
1,体重減少
2,疲労
3,筋力低下
4,歩行速度の低下
5,身体活動の低下
をそれぞれ評価し、このうち3つ以上の症状を有する場合に『フレイル』と判定されます。
主に高齢者に見られる症状であり、歯の欠損や咀嚼機能の低下、
口臭、風味の低下、唾液の減少などが起こります。
オーラルフレイルの状態が続くと、栄養摂取やしゃべりにくくなったり、
身体的・心理的・社会的な健康に悪影響を及ぼすことがあります。
<オーラルフレイルの症状>
・口の乾燥や歯の欠損
・口臭や舌の炎症
・嚥下困難や食事の咀嚼困難
・噛む力や飲み込む力の低下(むせ、食べこぼし)
・声の変化や以前より話しにくい
・歯周病の進行
これらの症状がある場合、オーラルフレイルの可能性があります。
ただし、これらの症状が全てオーラルフレイルによるものとは限らないため、
医師や歯科医師による診断が必要です。
<オーラルフレイルの検査>
オーラルフレイルの検査には主に以下のようなものがあります
1,口腔評価:口腔内の状態を評価します。
歯や歯茎の状態、顎関節の動き、嚥下機能などを観察し、
異常があるかどうかをチェックします
2,栄養状態の評価:栄養状態がオーラルフレイルの発症や進行に関与するため、
栄養状態の評価も重要です。体重測定やB M Iの計算、
血液検査などを行い、栄養不足や異常があるかどうかを評価します
3,咀嚼・嚥下機能の評価:食事摂取が困難になると
オーラルフレイルが進行するため咀嚼や嚥下機能の評価が重要です。
4,問診・聴取:患者自身や身近な人からの情報収集も重要です。
食事や口腔ケアに関する問題や困難、口腔内の不快感などを聞き取り、
症状や状態の把握を行いましょう。
これらの検査を総合的に行い、オーラルフレイルの診断や評価を行います。
医師、歯科医師、栄養士、言語聴覚士が協力して行われることが一般的です。
まとめ
超高齢社会において、オーラルフレイルを
見逃さないことは健康寿命の延伸へとつながります。