失ったご自身の歯と遜色ないほどの「噛める力」を取り戻せるインプラントですが、その独特な結合の仕方から、天然歯と比べいくつか弱点があることをご存知でしょうか?
①歯ぐきの繊維のバリアがない
天然歯は、歯ぐきの内部に繊維(糸状の長い組織)が伸びていて、歯と密接に絡みついています。
これは、歯と歯ぐきの付着を強化するほか、体内への細菌の侵入を防ぐバリアの役目も担いますが歯を失うとこの繊維の多くを失ってしまうのでインプラント周りの歯ぐきは細菌に弱く、「歯周病」になりやすいです。
②歯根膜のクッションが存在しない
天然歯には、歯の根っことあごの骨の間に伸び縮みする無数の繊維が歯の根とあごの骨を強固に結び付けていてクッションのような働きをしている「歯根膜」があります。
噛んだ時にさまざまな方向から生じる力を吸収・分散させ、過剰な力が骨に加わらないようにします。
また、噛んだときにかたさや感触をセンサーのように感知して、無意識のうちに嚙む力を調節する機能もあります。一方インプラントは、人工歯根(インプラント体)のチタンとあごの骨が直接結合しています。
クッションやセンサーの働きをする歯根膜が存在しないため、その分過剰な力によりトラブルが起こりやすいです。
インプラント治療を受けた方は、天然歯と同様に入念なケアが必要です。
インプラントも天然の歯には敵いません。
そして失ってしまった歯は二度と元に戻せません。
インプラントを長持ちさせ、快適な生活を維持し、今持っている天然歯を末永く使うためにも、定期的な歯科医院でのクリーニング・メンテナンスは欠かさないようにしましょう。